効率的な勉強をするための鉄則

効率的な勉強は、まずは基本から

無駄のない効率的な勉強こそ、中学受験や高校受験、大学センター試験を目指すうえで「最高の勉強方法」です。

無駄が多ければ、せっかく費やした勉強時間が水の泡ともなりかねません。いくら暗記しようとしても覚えられない、なかなか理解が進まない。

その結果、偏差値が上がらず、模試の判定結果もA,BランクにUPすることなく、ずっとC,D,Eのままに・・・。すべては効率の悪い学習方法を採用しているためです。

勉強のやる気やモチベーションはあるけれど、努力しただけの見返りがないという場合、今一度、効率的な勉強方法になっているかどうか、確認してみましょう。それでは効率のいい学習とは、どのようなものでしょうか?それは以下のように表現することができます。表現は違いますが、すべて同じことを言っています。

  • 基本をしっかりマスターしてから、応用に進む
  • 概要を理解してから、詳細に入っていく
  • イメージできるようになってから、細かい暗記をしていく
  • 右脳勉強法から入り、左脳勉強法へと進んでいく
  • 速読から始めて、熟読へと移行していく

無駄の多い勉強になっている時というのは、上記とは順序が逆になっています。
いきなり難しいことから入ったり、全体を無視して、いきなり細かいことに注意を向けたり・・・。
そうではなく、まずは大きく、おおざっぱにとらえる。それから、細かい部分にフォーカスしていく。これこそが正しい勉強法の順序です。また、人間の脳の特性に合致した、最高峰の勉強の仕方になります。

身近な例でいえば、初めて誰かと出会うとき、まずは全体の雰囲気を観察しますよね?いきなり鼻の形を詳細に観察したり、指先の爪の形に見入ることはないでしょう。もちろん、なかにはいるかもしれませんが、それは稀です。たまたま、その部位に興味があるとか、きちんとした理由がある場合に限られます。

ふつうは、まずは全体をとらえて、それから時間を追って細かい部分にも注目していくというのが、人間の脳の働きなのです。これに則った勉強方法こそが、理にかなった学習法であり、無理やストレスがかからないやり方といえます。

基本から応用へという流れ

入試試験にかぎらず、スポーツでも武道でも芸事でもそうですが、初めは簡単なところから入ります。
とくにスポーツでは、筋力づくりや柔軟性アップ、スタミナ養成といった「基礎体力作り」から入ります。そしてテクニックにおいても、まずは正しいフォームを意識しながら、ゆっくり大きな動作で、基本から反復していきます。いきなり試合で使うような高等テクニックや裏技を練習する人は、あまりいないでしょう。

受験勉強や資格試験の対策においても、同様のことがいえます。しかし、なぜか受験勉強になると、背伸びをして、いきなり分厚い受験参考書を買ってきて読んでみたり、難しい過去問にいきなり挑戦する人がいたりします。こと勉強になると、基本をマスターしてから応用展開に進むという「当然の道理」を度外視してしまいがちです。これでは効率的な勉強法とは、程遠いものとなります。

スポーツや芸事なら、基本をおろそかにして背伸びをしても、体が反応しないので、すぐわかります。体がついていきませんし、ケガの元なので、しぜんと無意識のうちに「無謀な行動」にセーブがかかるわけです。
チェック機能がすぐに働くのです。ところが勉強は、頭でっかちになりがちなので、このような「当然の判断」ができにくくなります。周りの仲間が受験一色になれば、それに感化されて気持ちが焦るために、よけいに基本をすっとばした勉強方法を採用しがちになります。

しかし基本ができていないのに、難しいことを理解できるわけがありません。
かりに最初から過去問を解きまくったり、問題と解説だけを読むことによって身につけた気になったとしても、それは錯覚です。「その問題そのもの」が出題されれば強いですが、ちょっとでも違う問題となると、まったく応用できる力がつかないのです。完全に一致する問題が出題されることは稀なので、この方法では、試験を突破できないことになります。

過去の問題に挑戦するときは、あくまで基本という土台があったうえでのトレーニングであるべきです。基本がしっかりとできていれば、多少、過去問と違った問題が本番で出題されても、対処できるようになります。

基本ができていないと、行き詰るのは時間の問題です。どんなに難問を考えても、全然わからないので勉強が嫌いになる危険があります。また、勉強をやるほどにストレスがたまりがちになり、その結果、記憶力の低下まで引き起こす可能性があります。効率的な勉強をしてこなかった「つけ」が回ってきてしまうのです。スポーツにおいても基礎体力が十分にないのに、試合ばかりしていれば、思ったように体が動かないためにミスを連発して、嫌気がさし、ケガも多発することと一緒です。

基本を身につけるには、分厚い参考書ではなく、できるだけ平易に書かれた「薄い参考書」を買ってきて、それを何度も繰り返すことに尽きます。復習に重点を置くことによって長期記憶として定着し、地力がつきます。基本ができていれば、難しい問題でも解けるようになるので、勉強が面白くなってきます。そうすれば好循環に入るので、受験勉強が苦にならなくなり、どんどん学力が向上していきます。
基本ができているか、それとも不十分で中途半端か・・・これだけの違いが雲泥の差を生むのです。

概要理解ができてから詳細に入っていく

「概要から詳細へ」という流れも、「基本から応用へ」ということと同じです。表現が違うだけです。概要をつかむということは、まずは全体を大きくとらえて俯瞰するということ。ちょうど高層ビルの窓から地表を見渡すように、全体を視野に入れるように努めるわけです。効率的な勉強をしていく上で、かならず必要な作業です。

このことはパズルゲームに例えられます。パズルを完成させようと思えば、まずは完成図を見てイメージしますよね?完成形も知らないで、いきなりパズルボードにピースを置いていく人はいないはずです。このように効率的に行動を起こそうとすれば、しぜんと概要理解から入っていくのが、人間の脳の特性なのです。

そのほかにも、何かを達成しようと思えば、まずは大きな目標を立てます。会社の事業目標でも、まずは大きなスローガンを掲げますよね?そうしてから、より細かい中間目標や身近な目標を立てていくという流れになります。大学受験に合格しようと決めた場合でも同様です。はじめに最終目標を設定してから、日々のノルマにまで落とし込んでいくはずです。

ダイエットしたい場合でも、まずは、どのくらい痩せたいかというイメージをもつはずです。5kg痩せたいとか10kg痩せたいとか、あるいは二の腕のたるみを取りたいとか、お腹をへこませたいとか・・・。また、あの芸能人やモデルみたいになりたいという、だいたいのイメージをもつことが出発点になるのではないでしょうか?そのようなイメージを頭に描いてから、「じゃあどうするか?」という詳細を考えていくはずです。たとえば、ダイエットのために有酸素運動をしようとか、緑黄色野菜を多くしようとか、咀嚼を多くしよう、などなど・・・。

普段の生活では、このように概要(イメージ)を描いてから、詳細へと進んでいくのに、いざ受験勉強となると、いきなり細かい歴史の年号や人名を暗記しようとしがちになります。英語でも、英文を無視して、英単語だけを切り離し、それだけをひたすら記憶しようとしがちです。

しかし、そのように全体から切り離された知識というのは、脳内で「離れ小島」状態になっているので、覚えにくいうえに思い出しにくくなります。脳内でシナプスの結合パターンがわずかなので、思い出すときの経路が限定され、緊張がともなう本番の試験では、なかなか出てこないということに・・・。
効率的な勉強をしたいなら、まずは全体を見渡して把握し、しかも「そこから切り離すことなく覚えていく」ことが大切になってくるのです。

右脳勉強法は、速読や漫画を利用しよう

効率的な勉強法に欠かせない「概要から入る」ということは、つまり右脳勉強法です。もちろん右脳といっても、脳梁で常に連絡を取り合っているので、左脳と完全に切り離すことは不可能です。文字を読むさいは、左脳が主に使われますが、同時に右脳も意識的に働かせていきましょう!という意味です。

細かい部分だけを読んだり暗記したりしていたのでは、脳内に豊かなイメージがつくられません。
そこで、「全体を俯瞰できるような、平易で簡単な文章」を何度も読むことによって、左脳とともに「右脳も」働かせ、まずは脳内にイメージをつくっていくべきです。たとえば歴史(日本史や世界史)の教科書でも、いきなり人名や年号、事件名に注目するのではなく、まずは全体の「流れ」に注目すべきなのです。

とはいっても、受験勉強や中間・期末テストに対して気持ちが焦っている人は、どうしても効率的な勉強ができなくなり、細かい部分にばかり目が行きがちになるのかもしれません。そういったときは、できるだけ速く文章を読むことです。速読ですね。

速く読むことによって、細かい部分で引っかかることなく、概要だけをくみ取っていくことができます。
そのようにして概要理解ができてから、そのあとに思う存分「熟読」していけばいいのです。意識して速く読めば概要理解がしやすくなり、ゆっくりと読めば、細かい部分に目が行きやすくなる、ということです。

なお最初から、細かい部分まで記してある分厚い受験参考書を選んでしまうと、いくら速く読んだからといっても、言っていることが分からないことがあります。語られる用語自体が難しいので、むしろ速く読むほどに意味が通じなくなるのです。

ですから最初の参考書選びの段階で、できるだけ薄い本を選び、平易な表現を使ったものを買うべきです。また、日本史を例にとると、あえて小学生の教科書を使うことによって、概要が理解しやすくなります。英語がどうしても苦手な高校生だったら、中学英語からやり直すと、英文法が理解しやすくなります。

そのほか、歴史の漫画を使うという方法も、効率的な勉強の仕方として有効です。今は勉強用の、いろいろな漫画が出ています。イラストがイメージ化を手伝ってくれるので、簡単に概要理解をしていくことができます。また肩ひじ張らずに、リラックスして読めるので、どうしても勉強のやる気が出ないという人にもオススメの方法です。同じ考えで、youtubeの動画やテレビの時代劇を観ることも効果的です。

以上のように、まずは基本から、簡単なところから始め、徐々に難しいこと、細かい内容に入っていく・・・これこそが脳の性質にのっとった効率的な勉強方法といえるのです。